老人ホームなどにおける介護の現場での古武術の応用について書いています。
またスポーツに取り入れられている古武術についても説明しています。

◆古武術を応用した介護例③

介護でもっとも苦労するのは、全介護状態の方を抱えて、ベッド、車椅子、トイレなどへ移動させることでしょう。

ここで古武術を使った介護法である「浮き取り」を使います。「浮き取り」とは、被介護者をなんと一人で抱えあげてしまう技術です。

介護者をAさん、被介護者をBさんとします。まず、Aさんは座っているBさん左側にしゃがみ、Bさんの腰、膝裏に手の甲から腕を回し、手首から先だけを返して、力が伝わりやすい構造を作ります。
次に足裏を「垂直離陸」させ、足裏全体に重さのかたよりなく、浮いているような感覚を保ちBさんを抱え上げます。すると、ふわっと浮き上がるような感覚で抱え上げることができます。

普通のの力の出し方で両足を踏みしめ、腕力で持ち上げようとすると、相手の足が引きつれ、腰が残ってしまいます。ここでは「足裏の垂直離陸」を用いることがポイントです。
この動作をすると、足を踏ん張ることができないため、腕に力が入りにくくなります。これによって腕に余分な力が入らない分、相手の重さを全身で分担して負担するような身体の構造が自然とできやすくなるのです。

「浮き取り」では、一般的な方法よりもはるかに楽に、バランスよく相手を抱え上げることができるのだと考えられます。


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